貧乏博士とR33

現役博士学生が愛車とともに夢を追いかける日記

CR 百合物語 ②

前回
 
 
「ただいまー」
 
「ん、おかえり」
 
「あ!いい匂い〜」
 
「ごはん、出来てるよ」
 
人気者で色々と忙しい彼女を私は夕飯の準備をして待つ
 
これもいつも通りだ
 
いつも通りの日常だったはずなのに……
 
「もう寝よっか」
珍しく早い時間に寝ようとする彼女
とは言え時計はもう23時を回ろうとしている
 
ベッドの上で寝る前のSNS確認をする彼女
風呂上がりでふわふわの髪の毛からほんのりシャンプーの香りが漂う
 
辺りが暗闇に包まれる中、1箇所だけハッキリ見える……
窓からこぼれる月明かりに照らされて、彼女の艶やかな顔がより一層引き立つ
 
 何故だろう……いつもよりも色っぽく見える
 
「んっ……」
 
 そんな彼女に気がつけば手を伸ばしていた
 
「あっ」
 
「……綾ちゃんならいいよ」
 
そんなつもりではなかった
ただ綺麗な彼女の横顔に少し魔が差しただけだったのに
もう戻れなくなっていた
 
彼女の横髪に手を差し込み耳に手を触れる
 
「/////」
 
手のひらにはやわらかい触感
手の甲にはふわふわした触感
 
今まで我慢していたけれど、ふわふわしたものが大好きな私にはこの上ない至福の時間
 
手の位置を少しスライドさせて彼女の毛先に触れる
表情にお似合いな優しい肌触り
 
そっと顔を近づける
 
 
口元に柔らかな感触を感じる
 
「/////」
 
「/////」
 
 
 
 
目が覚めると目の前には彼女の顔
 
こちらが起きたことに気が付き、ニコっと笑う彼女
窓から差し込む朝日に照らされて天使のようなほほえみだ
 
だがすぐに天使は悪魔の顔に変身し
 
「昨日のお返しです」
 
彼女が顔を近づけ唇が触れ合う
 
「……もう 行かないと」
 
「そうだね……」
 
そう呟く彼女はとても寂しそうな表情を浮かべる
 
「今日の夜もいいかな?」
 
「…………うん」
 
1度知ってしまったらもう戻れない……
 
 
ベッドの上には風呂上がりの彼女
 
昨日と同じ光景だ
 
ただ、2人を包み込む雰囲気は昨日のそれとは異なる
 
「続き、しよっか」
 

窓が少し空いており、そこから風が吹き込んでいる

白いカーテンがひらひら風で揺れている
 
窓の隙間からは綺麗な満月がよく見える
2人のこれからを祝福するように