「おはよう」
「……おはよう」
私は綾、中高一貫の女子校に通ってる
そして、今隣のベッドの上で正座して眠そうに目を擦ってるのは花恋、私と同室の女の子
昨日も夜遅くまでSNSでもしていたのだろうか
うちは全寮制で2人でひとつの部屋で過ごしてる
「朝ごはん出来たよ」
「うん!」
さっきまで眠そうにしていたのにもう切り替えている
「♪♪〜」
彼女はあるSNSで有名人、ごく普通の朝ごはんでも反応が大きい
「ふふっ」
恥ずかしいけど、どこか嬉しいような複雑な気分だ
「早く食べないと学校遅れるよ」
「はーい」
彼女の食事を視界の端に捉えながら、私は身支度を進める……
長い髪を1つに束ね、準備完了
制服に着替えた彼女を背に靴を履き、彼女を待ちドアを開ける
「見てください!綾ちゃんが好きそうな動物の動画、見つけたんですよ〜」
「このマカロン美味しそうですよ〜
今度食べに行きませんか!?」
各自のクラスまでの間、会話が途切れることは無い
なぜなら彼女がひっきりなしに話題を提供してくれるからだ
私は本来あまり話す方ではないけど、彼女と話す時間は嫌いではない
「もう着いちゃった」
「もっと話したかったのにな~」
数分経てば教室の前
クラスが別なのでここでしばしの別れ